南紀白浜はサーフポイントも多く、白砂のビーチ「白良浜」はワイキキビーチとの姉妹浜提携を結んでいるだけあって、ほかのビーチとは違った魅力を写し撮れると思いました。映像や写真は出合ったシーンを作品として定着できること、残せることが魅力だと思っています。自分が見たもの、人、自然の光景をまさに焼き付けるような不思議な感覚を求めて撮り続けている気がします。その気持ちは、宮崎や四国の海にサーフィンの大会などで遠征していたとき「写ルンです」で1枚1枚大切に撮影していた小学4年生の頃と同じです。
サーフィンも映像も、自分だけの個性を表現することが大切です。サーファーそれぞれにスタイルがあるように、作品にもオリジナリティがないと評価を得られません。そういった意味では、サーフィンでも映像でもクリエイティブな発想そのものが自分のなかで影響し合っている気がします。ただ、ライフスタイルはまったく逆になってしまいますね。サーファーの暮らしはすごく健康的ですが、クリエイターとして生活すると……座ってばかりだったり夜遅くなってしまったりと、とても不健康。そこについては相乗効果を発揮していないようですね(笑)。
スピード感がとても印象的でした。無理のない加速感といいますか「電気自動車の走り、e-tronの魅力」を直感できました。旅のスタートは大阪の街中だったので、はやく高速走行したいというウズウズした気持ちになるほどの昂揚感。そんなクルマに出合うことってなかなかないと思います。路面とのグリップ感もいいし運転支援機能の安心感もありました。高速道路で車線維持をアシストする「アクティブレーンアシスト」などもしっかり“効いている”のを実感できます。実は普段からAudi A5に乗っていて、アウディ車には馴染みがあります。だからその機能、性能については信頼していますが、すべて電動化されたことで、その信頼感がさらに増したようなイメージを感じています。
まず「カッコイイ!」と思いました。充電にまつわる一つひとつのアクションが電気的に制御されている雰囲気と、充電コネクターをガチャっと物理的に接続する感じ。どこかロボットを扱っているような、男の子が大好きな感覚といいますか。充電されているe-tronの佇まいもすごくカッコイイんです(笑)。
急速充電の30分を長く感じることはありませんでした。ガソリン車であっても休憩時間や食事を摂る時間は必要ですし。映像を制作する立場からすると、充電する時間はちょっとした偶然性のある風景に出会えるチャンスでもあると思っています。目的の風景を目指して旅をするのですが、その途中には自分では認識していなかった景色があることって多いんです。そんなチャンスを拾えることもあるので、旅の途中で立ち止まる時間は大切にしたいと思っています。
旅の先々の充電ステーションを教えてくれるのはとても安心感が高いと思います。充電ステーションが急速に増えているとはいえ、走行距離への不安はつきもの。その不安を払拭してくれる機能だと思いました。バーチャルコックピットはAudi A5でも利用しているのですが、すべての情報がメーターパネル全体を覆う液晶モニターで確認できるため運転に集中できます。よそ見をすることがないので安全性も確保してくれると思っています。MMIなど情報を集約した未来的なシステムは電気自動車のe-tronによく似合うと感じました。インフォテインメントシステムを含め、インテリア全体がよりラグジュアリーに進化していると思います。
あと、スマホアプリの「myAudi」にも驚きました。充電状況などクルマのデータが手元でわかるのはもちろんですが、遠隔でナビの目的地登録ができるのもいいですね。休憩中に思いついた撮影ポイントにルート変更できるのはすごくスマートですよね。ほかにも乗る前にエアコンを入れたり、鍵の開閉したりがアプリでできるなんてとても便利だと思います。
回生ブレーキによる減速は運転のしやすさを感じられましたし、発電状況を目で見て確認できるのもいいと思いました。少しでもエネルギーを無駄にしない感覚は先進的というか、アウディのサステイナブルな思想がすみずみまで行き渡っている感じがします。ぼく自身もペットボトルは買わないようにするとか、個人レベルで環境に配慮したライフスタイルを意識していますが、アウディは世界に先駆けてカーボンニュートラルを表明したり、工業用水や廃棄物のリサイクルを進めたりと、明確な姿勢を強く打ち出している印象があります。そのようなアウディの想いがカタチになったのがe-tronなのだな、と今回の旅で本当に実感しました。
冒頭でもお話したように、オリジナリティとか自分らしさがなければ、そしてそれを進化させなければ、作品を通じて多くの人の共感を呼ぶことはできないと思っています。もっといえば今までにないような表現を求めていけるかどうか。アウディが世界に先駆けてカーボンニュートラルへの姿勢を表明したように、新しいことに挑戦してくことそのものが進化なのかな、と思っています。
電気自動車が当たり前になる社会、それは地球環境がよい方向に向かっていくことだと信じています。サーフィンを通じて海に関わっている、海にお世話になっている以上、自分もできることは何でも行動したい。ペットボトルを削減することもそのひとつですし、e-tronのようなクオリティの高い電気自動車を選択することもサステイナブルな社会に貢献することだと思います。きっと電気自動車が普及すればするほど、多くの人の意識もサステイナブルな方向へと変化していくと思っています。ぼくはそのようによい方向へと変わっていく風景を作品に残し、次の世代の子どもたちに見て感じてもらいたい。そんな未来になってくれるとうれしいですね。
現在のAudi e-tron Sの一充電走行距離*1が約415kmですが、長距離移動の多いプロサーファーとして、クリエイターとしてはもう少しほしいところです。とはいえ、今回e-tron の機能、性能、カッコよさを知ってしまったんですよね……。充電タイムを満喫できると思えば……まったく問題ありません!それぐらい、Audi e-tron S Sportbackの魅力を教えてくれた“いい旅”だったと思います。