伊豆はなんとなく港や海、温泉といった漠然としたイメージしかありませんでした。だからこそ今回の旅でその風景、土地の雰囲気をしっかり感じたいと。撮影では“直感”を大切にしているので、被写体についての情報があまりない方がいいんです。その場に立ったときの光景、匂いや風を感じながら撮りたい構図、イメージが湧くといいますか。もともとiPhoneで撮った写真をInstagramに投稿したところからキャリアがスタートしていますので、感覚的には皆さんがスマホで面白いと思った写真を撮っているのと同じです。さすがに今では表現力の高い一眼カメラを使いますが、撮影スタイルは変わりません。最初に触れた目の間の光景、そこから何を感じられるかが重要なんですね。そういう意味では、旅のスタートで経験した急速充電の「プレミアム チャージング アライアンス」はかなり想像力を掻き立ててくれました。
180度変わりました。近未来的な空間が充電そのものをスタイリッシュに演出していて驚きました。照明に照らされるAudi RS e-tron GTを見た瞬間に写真の構図が浮かぶほどのインスピレーション。充電するという行為に対して、これだけアガるとは想像できなかったですね。また、今後、アウディとポルシェの全ディーラーに充電ステーションを設置していくと聞きました(※)。急速充電できる場所が増えれば電気自動車がさらに便利になります。ユーザーの視点に立った先進的な取り組みだと感じました。
大のクルマ好きですが、実は所有せずレンタカーや知人のクルマを借りてさまざまなメーカー、車種を試すことに楽しさを感じています。いろいろと乗ってみると、それらのクルマの良さがわかるのですが、自分にジャストフィットするクルマってないんですよね。馴染むまで、個性を把握するまでに時間がかかるといいますか。でも、Audi RS e-tron GTはまったく違和感がなかったんです。車幅1,965mmで車高も低い(1,395mm)のに車両感覚に惑わない。乗って5分で「あ、ぜんぜんこれまでのクルマと違う。乗りやすい」と思いました。ダイナミックモードでのワインディングロードでも路面に吸い付く安定感とアシスト機能が効いている安心感がありました。いつもの乗りなれているクルマのようで、途中で「自分のクルマなのかも」と思ったほどです(笑)
回生システムはどれだけ発電しているか見てわかるゲーム感覚なところが印象的でした。これをきっかけに丁寧なブレーキングを心がけるし、電気を無駄にしないという環境への配慮も実感できる。しかも、Audi RS e-tron GTは専用の回生ブレーキシステムを搭載していて、ほかのe-tronより一充電走行距離*1が長く約534kmを実現できると聞いています。500km以上あれば大抵のロケ地に行って充電して帰ってこれる。充電ステーションはルートプランナーが教えてくれるので、安心して撮影に行けると思います。
やはり電気自動車は充電が不安だと思います。だからこそ、急速充電ネットワークのプレミアム チャージング アライアンスや、充電ステーションの場所がわかったりするのは安心してドライブできる条件のひとつかもしれません。充電の心配がなければ旅のプランニングも自由に変更できるし、それにより新しい風景を発見できるかもしれないですよね。「MMI(Multi Media Inter-face)」の使用感もよかったです。ディスプレイにタッチしたときの音や感触が心地よいし、ドラッグ操作でアイコンを並び替えられたりとスマートフォンを操作しているような感じで使いやすいと思いました。
冒頭でお話したように、写真を学んでフォトグラファーになったわけではありません。スマートフォンとSNSという新しいツールが私を現在の場所に連れてきてくれました。デバイスやネットの進化が、表現する私そのものを進化に導いたのだと思います。写真が誰でも簡単手軽に、しかも高画質で撮れる環境になったからこそ、当たり前の写真では評価されません。常識や固定観念にとらわれない自分だけの“直感”を信じて撮っていく。そして表現し続けていくことが、さらに進化を遂げることにつながるのかな、と思っています。
今回、Audi RS e-tron GTに乗ってみて、クルマ好きだけでなく多くの人が快適に感じられる高い完成度のクルマだと思いました。近い将来、電気自動車は誰にでも優しい、便利な移動手段となることを実感しました。スマートフォンが写真表現を変えたように電気自動車が“移動”やモビリティそのものを変えていく。それはクルマの楽しさや便利さを根本から変革することかもしれません。ただ、スマートフォン登場後のライフスタイルを想像できた人がいないように、電気自動車が当たり前の未来をまだ具体的に想像できません。アウディにはこれからも最新のe-tronシリーズを発表することで、少し先の未来を教えてほしいと思っています。