他の車は選択肢にない

展示センターのホールにはまだ人が残っていますが、サニー・ジェイ・グレネヴェルドは移動しなければなりません。ミュンヘンで開催されたBits & Pretzelsで「Gold Stage for Audi」の司会を終えると、彼女はチューリッヒに戻らなければならないのです。彼女のAudi Q4 e-tronは屋外の充電ステーションで待機しています。数時間の充電で350キロ余りの帰路は十分カバーできます。「少なくともアプリはそう示しています。」という彼女は、ナバーラブルーのAudi Q4 Sportback e-tronに荷物や携帯品を積み込みながら、彼女自身の経験からもそう言えると付け加えました。

出張の多いサニー・グレネヴェルドは、車だけでも1年間で約15,000キロは移動すると言います。デジタル化された車で移動する彼女ですが、彼女がデジタル化を推し進めることもあります。2015年、彼女はデジタルトランスフォーメーションに向けた産業間の垣根を越えるスイス最大のイニシアチブ“digitalswitzerland"の初代マネージングディレクターに就任しました。30代半ばの彼女は司会者だけでなくスイス企業5社の役員、作家、そしてコンサルティング会社"Inspire 925”の業務執行社員として活躍しています。

このAudi Q4 Sportbackは、実は彼女にとって2台目のe-tronモデルで、2台目の車です。以前はカーシェアリングを主に利用し、今よりも頻繁に電車を使っていたそうです。他の車は彼女の選択肢にはありません。「電車よりも車の方が柔軟に移動できます。でも自分で運転する時には、可能な限りサステイナブルに移動したいと思っています。」と語るグレネヴェルド。彼女の周辺では、彼女がeモビリティ利用者の先駆けだったと言います。「初めてアウディから電気自動車が納車された時、自宅で充電するオプションはありませんでした。」と彼女は説明します。彼女が住む集合住宅には30台が止められる駐車場があったものの、充電ステーションは1つもなかったそうです。「街中で仕事がある時には、仕事のついでに駐車場で充電しました。」その後オーナーズミーティングの場で意見しました。現在では近所にあるどの駐車スペースにも充電ステーションを追加するオプションがあります。

彼女はマイカーを持つことで得られる柔軟性を高く評価しています。車は自身のモバイルオフィスと考えていることから話題に挙がるのは、ほとんどが接続性やアプリの使いやすさについてです。彼女が特に重宝しているのはスマートフォンを自動でしかも途切れることなくAudi Q4に接続できる点だと言います。一方でモビリティと生活環境のつながりは依然として初期段階にあると感じているようです。車を充電する時によく実感するとグレネヴェルドは説明します。「インフラとユーザー間のコミュニケーションについては、まだ改良の余地があると思います。」と彼女は言います。重要なのは、段階的なアプローチを続けること、実体験に基づいて改良を開発することだそうです。「それがデジタルプロジェクトのDNAであり、目指していることの全てです。」そう言って彼女は走り去っていきました。