スフィアシリーズの第3弾となる電気自動車のAudi urbansphere conceptはこれまでのアウディで最大のインテリアスペースを誇るコンセプトカーです。
共創プロセスの一環として、Audi urbansphere concept(アウディ アーバンスフィア コンセプト)の
インテリアはイタリアの家具ブランド、ポリフォームがデザインしました。
創業者の娘でマーケティング・コミュニケーションマネージャーのマルタ・アンザーニが今回のプロジェクトについて語ります。
※本記事に掲載している写真はコンセプトカーです。市販モデルではありません。
イタリアの家具ブランド、ポリフォームとアウディが共同でデザインしたAudi urbansphere conceptのインテリア。このプレミアムラウンジがデザインチームの思い描いた新しいモビリティリビングスペースだ。
イタリアの家具ブランド、ポリフォームとアウディが共同でデザインしたAudi urbansphere conceptのインテリア。このプレミアムラウンジがデザインチームの思い描いた新しいモビリティリビングスペースだ。
ポリフォームは家具業界でも格式の高いブランドで、哲学からインスピレーションを受けたデザインを展開していると聞いています。
マルタさんはその理念をどのように解釈していますか?
我々のアプローチはいたってシンプルです。わが社のデザインは人のために、人を中心に考えられています。お客様の好みやニーズを読み取って、そのお客様にぴったりの家具をオーダーメイドでデザインしています。
トレンド調査とブレーンストーミングの中心になっているポリフォームの研究所では、クリエイティブなプロセスとしてデザインや開発を始める前に、スタイルや文化、職人技などを徹底的に調査しています。その際に、お客様の生活を心地良さと耐久性で豊かにするための材料や製法をじっくりと吟味しています。
このようなプロセスにより、ポリフォームでは細部までこだわった唯一無二の完璧な商品をお客様にお届けしています。また、快適でありながら豪華で高級感の溢れたスタイルを提供しています。
ポリフォームのインテリアは、その魅力的な見た目だけではなく、高い機能性も注目されています。そのような空間をどのようにデザインしているのでしょうか??
ポリフォームのデザイン哲学は家具だけに反映されているわけではありません。人々がそれぞれの生活を送る空間や家全体に反映しているのです。我々のコンセプトは、与えられた空間をヒントに構築されていきます。そしてその空間に調和のとれた製品をデザインしていくのです。初期のころは昼にも夜にも使えるリビングエリアをデザインしていました、今ではキッチンやソファーもデザインしています。我々にとって家とは、そのすべての空間で住人に安らぎと幸福を与えるユニークで調和のとれた環境だと思っています。
Audi urbansphere conceptはネットワークエコシステムを通してすべての乗員が快適にリフレッシュできるプライベートな空間を目指しています。
ポリフォームのデザイン哲学はAudi urbansphere conceptのような車両のインテリアにどのように活かされていますか?
今回のプロジェクトは我々にとって、これまでの家や家具などという概念を超えて、「モビリティインテリア」という新しい分野について考える良い経験になりました。今まで車というと、「A地点からB地点への移動手段」という概念しかありませんでした。しかし、これからは車がリビングスペースの延長として、タイヤのついたラウンジ、もしくは家のように「快適な移動式の空間」へと変化していきます。
つまり、どこへ行くにも快適で便利な空間を車が提供してくれるということですか?
はい、これは空間や時間の新しい体験の仕方です。これまでは目的地に向かうまでの場所だった車内が新しい意味をもつようになり、新しい時間の過ごし方ができるようになるのです。車での移動の間、家で過ごしているかのようにリラックスし、新しい人間関係を作ったり大切な人たちとの時間を楽しむだけでなく、仕事に集中したりすることもできます。
マルタ・アンザーニはポリフォームの創業者の娘であり、マーケティング・コミュニケーションマネージャーに就任している。
マルタ・アンザーニ
そのような要素をAudi urbansphere conceptの未来的なインテリアにどのように反映したのですか?
我々が常に追求しているのはどうすれば家のようなパーソナルな空間を作れるかです。素材や照明がそれを達成するための手段になります。
照明を特別な設定にすることでお客様のニーズに合わせてラウンジの雰囲気を調節することができます。暖かく薄暗い照明は静かでリラックスした雰囲気を演出し、個別もしくはセットで点灯できるアクセントライトは読書や仕事などへの集中力を高めてくれます。中央のスクリーンとプロジェクターにも同じコンセプトが採用されています。
必要に応じて車内を映画館、アートギャラリーやオフィスのような空間に設定することができます。カスタム可能なOLEDパネルでは、家にあるカーテンのように特定の窓をブロックすることもできます。そしてアクセントライトは家庭的なアクセサリーを引き立てます。心地良いプライベートな空間を作り出すために、インテリアの下側のトリムやガラス部には特別な防音がほどこされ、外部の騒音を遮断します。
家具メーカーとして、素材選びにはどうこだわりましたか?
インテリアを360度体験できるように、すべての感覚が没入できるように刺激する最高級の素材を厳選しました。
レザーやカシミヤのアクセサリーからは、移動しながら高級感や心地良さを感じられます。移動に使う一時的な空間ではなく、家にいるときのような快適さを存分に味わえるようなスペースになっています。